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¥5,500 税込
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プリンの写真がプリントされた長袖のTシャツ。
ボディカラーはグリーンがかった青色のミストブルーです。
ボディの生地は通常の天竺よりも編み目を詰めた密度の高い天竺生地が使われており、厚手で耐久性があり肌触りが良いです。
袖口にはしっかりとしたショートリブが付いており、一枚でもおしゃれに着ることができます。
ネック周りはダブルステッチ仕様、肩はバインダーテープ仕様となっており、首周りのヨレや型崩れを防ぐタフな設計となっています。
素材 : コットン 100%
カラー : ミストブルー
サイズ : S / M / L
男性モデル着用サイズ L H179cm
女性モデル着用サイズ M H157cm
[サイズ S] 着丈 65cm / 身幅 49cm / 肩幅 42cm/ 袖丈 60cm
[サイズ M] 着丈 69cm / 身幅 52cm / 肩幅 45cm/ 袖丈 62cm
[サイズ L] 着丈 73cm / 身幅 55cm / 肩幅 48cm/ 袖丈 63cm
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the story for this item
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「人生はプリン」
写真のプリンのレシピ
150ccのカップ4つ分
牛乳 400cc
卵 2個
グラニュー糖 70g
カラメルソース↓
グラニュー糖 50g
水 大さじ1
お湯 大さじ1
「プリン、食べたいなー」
「美優、嫌なことあったんだね」
シェアハウスのリビングで、私が言った言葉に夏帆がそう返した。
嫌なことがあった時、私はいつもプリンを食べたくなる。夏帆はそれを知ってるから、私に何かあったのだとすぐにわかるみたいだ。
嫌なことと言っても、別に大したことではない。
最近職場の同期が別の部署に異動してしまい、一人で昼ごはんを食べることが増えた。単純に寂しいのもあるし、前まで当たり前に過ごしていた同期とのお喋りの時間が、自分にとって大事な気分転換の時間だったのだと気づいた。仕事の内容は変わらないはずなのに、ストレスが増えた気がする。
だから今、猛烈にプリンを食べたいと思う。
甘いものにはストレスを和らげる効果がある。中でもプリンは、私にとって特にその効果をもたらすのだ。
私は普段からプリンに目がなかった。お店のメニューにプリンがあれば必ず注文するし、美味しいプリンがあると噂を聞けば、わざわざ電車に乗って買いに行くこともある。
「さすが、リンラーだね」
かき氷をたくさん食べる人のことを、ゴーラーというらしい。
だから私はリンラーだ。私が言い出したこれ、夏帆は優しいから付き合ってくれてるけど、語呂が悪いから流行ることはない。
「ねぇ、プリンどっかに食べに行こーよ」
「ごめん、今日は出かける用事があるから無理」
優しいけど、優しすぎないこの感じが夏帆のいいところだ。ちゃんと自分を優先できる。
夏帆と私は学生の頃からシェアハウスをしている。休みの日は一緒に出かけることもあるが、基本的にそれぞれ自分のやりたいことを優先している。
「そういえば冷蔵庫に、スーパーで買ったプリンあるけど」
「んー、今はもっといいプリンが食べたい気分なんだよね」
「贅沢だねー。じゃあさ、今日暇なら自分で作ってみるのはどう?」
「……なるほど」
そんな発想はなかった。私はリンラーと言いながらも、既にあるものを食べることしかしてこなかったのだ。
スマホでプリンのレシピを調べたところ、意外にも材料は家にあるものだけで作れそうだった。
「作ってみる。できたら食べてくれる?」
「もちろん。夜楽しみにしてるね」
夏帆のおかげで、私のプリン生活に「自分で作る」という新しい選択肢ができた。
一人になって、もう一度レシピサイトを眺める。材料はグラニュー糖と卵と牛乳があればできるみたいだ。グラニュー糖はないから、上白糖で代用。ってか砂糖なんてみんな同じでしょ。プリン用の型も都合よく家にないから、ココットでいいや。
私は腕をまくってキッチンに立つ。
まずはカラメルを作るために、砂糖とお水をフライパンに入れて、熱を加えた。
やったことがないから、砂糖を熱するという作業に少し不安になる。これ、大丈夫なやつだっけ。
不安になったけれど、砂糖と水はレシピ通りちゃんと茶色くなった。どういう仕組みなんだろう。ちょっと苦めが好きな人は、多めに熱するといいらしい。
好みのタイミングで止めて、そこにお湯を加える。熱いカラメルが飛ぶから気をつけてと書いてあったので、本当かなと疑いながら、シンクで向こう側にフライパンを傾けてお湯を入れた。すると本当にパチパチと飛んだので、説明を信じて火傷をせずにすんだ。信じる者は救われる。
できあがったものを、四つあったココットに順番に入れていく。これでカラメルの完成だ。
次に私はボウルに卵と砂糖を入れて、さらに熱した牛乳を混ぜ合わせた。それをこしながら、さっきのカラメルの入ったココットに流し込む。
「あとは熱するだけ……と」
意外と作業は少ない。ココットが入ったお鍋に水を注ぎ、蓋をして三十分ほど蒸して固めたら、冷蔵庫に入れて冷やす。これで、夜には食べられるだろう。
どんな味なのか楽しみだ。
「じゃーん。見て」
その夜、家に帰ってきた夏帆に完成したプリンを見せた。
「えーすごい。見た目しっかりしてる。お店のやつみたい」
さっきお皿に出す時、裏返してもプリンが落ちてこなくて焦ったけど、底を温めたら落ちてくれた。見た目は確かにお店のやつみたいになっている。
「ねぇ、食べていい?」
「もちろん。一緒に食べよ」
二人で一緒に、スプーンで口に運ぶ。
「え……」
二人で同時に声を出して、目を合わせる。
「めちゃくちゃ美味しい」
「うん、美味しすぎる。美優、これお店出せるよ」
初めての手作りプリンは、信じられないほど美味しかった。なんだこれ。こんなクオリティのものが家で作れるなんて。私は天才か。
「なんか特別なことしたの?」
「プリンへの愛がそうさせたのかも」
と言っておくが、レシピ通り作っただけだ。むしろちょっと適当にしたくらい。プリンは意外と、簡単に美味しく作れるのかもしれない。
「美味しいね。ねぇ、美優はなんでプリンが好きなの?」
「え、なんでって言われても」
プリンを次々とスプーンで口に運びながら、夏帆が尋ねた。好きだから好き、としか言えない。
「もしかして美優は、甘さと苦さの両方があるから好きなんじゃない?」
「あー……。確かにカラメルがあるからより美味しく感じるのかも」
夏帆が言って、確かに意外と苦味があるスイーツは珍しいかもしれないと思う。
「でしょ。苦味があるから、甘味が際立つ。人生みたいだね」
最後の一口を食べて、夏帆は満足そうな顔でスプーンを置いた。
嫌なことがあるから、いいことがもっといいように感じられる。職場でお昼を一人で食べる寂しさを知って、これまでの時間のありがたみに気づけたし、夏帆と過ごす時間にも感謝しなきゃと思える。
「甘さも苦さもあるのが人生……」
私はつぶやくように言った。
「これもう一個あるんだっけ? おかわりしたいんだけど」
「明日食べようよ。一日二個はだめ」
「えー。ってか本当にお店やろうよ。美優の美味しいプリン屋さんって店」
「名前安直すぎるよ」
甘さも苦さもあるのが人生。
私はもう一度その言葉を思い返し、これからは毎週プリンを作って冷蔵庫に置いておこうと、心に決めた。
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